4編でお話しした問題がありました。Gemini 3.0 Proがプロジェクトに書いておいた指示事項をなかなか守ってくれないというものでした。スタイルガイドを無視したり、あらかじめ決めたコンポーネント構造を飛ばしたり、GEMINI.mdに明記したルールを繰り返し破ることが多かったです。グローバルスキルとして定義したワークフローも期待通りには動きませんでした。最初はプロンプトをより具体的に書き直したり、指示事項を整えれば改善するだろうと思っていました。でも1ヶ月以上試してみても改善しませんでした。その時点でAIツールを変えることを決めました。
Claude Codeを選んだ理由
選択肢自体はそれほど迷いませんでした。現在の開発向けAIコーディングツールの中で最も効果が高いと判断したのがClaude Codeで、ちょうど会社でも使っていたのである程度慣れていました。まったく馴染みのないツールを新たに習得するコストを払う必要がなかったです。新しい指示体系をどう構成するか、GEMINI.mdにまとめていた内容をどう移行するかを考えればよく、ツール自体を覚えるのに時間を使う必要はありませんでした。
一番変わったこと:指示に従ってくれる
切り替えてから最も体感した違いはシンプルです。指示に従ってくれます。CLAUDE.mdに書いたルールを無視せず、スタイルガイドを守り、あらかじめ決めたコンポーネントの使い方から外れません。Geminiを使っていた時はコードレビューのたびに同じ指摘を繰り返すことが多かったのですが、その頻度が目に見えて減りました。もちろん完璧ではなく、たまにルールを見逃すこともありますが、以前とは比べ物になりません。
サブエージェント:メインは管理、作業は委任
Claude Codeに移行したことで、サブエージェントという概念が使えるようになりました。Geminiを使っていた時は一つの会話の流れの中ですべての作業を処理していましたが、作業が長くなるにつれて以前やり取りした内容を失ってしまうことがありました。文脈が途切れると背景をもう一度説明しなければならず、それが面倒でした。
独立した複数の作業を並列で処理することもできます。例えば心理テストのデータファイルを複数同時に作る必要がある時、サブエージェントを複数起動して同時に作業を分担させればいいです。以前は一つずつ順番に処理していましたが、今はその時間がかなり短縮されました。
フックでSlack通知を連動させた
Claude Codeに移行したことで、フック(Hook)機能も活用できるようになりました。フックはClaude Codeが特定のタイミングで自動的に実行してくれるスクリプトのようなものです。作業が終わった時、または入力待ち状態になった時に指定した動作が自動で実行されます。私はこれをSlack通知に繋げて使っています。作業が終わるか自分の入力が必要になるとSlackに通知が来ます。
作業効率が実際に上がりました。以前は作業を指示した後、終わったかどうか自分で確認しに来なければなりませんでした。どのくらいかかるか見当がつかないので、途中でちょくちょく覗いてしまい、それが集中力を乱す原因でした。今はSlackの通知が来るまで他の作業に集中できます。単純なことのようでも、体感の差はかなりあります。
ついでにドキュメントも高度化した
AIツールを変えるにあたって、GEMINI.mdにまとめていた内容を新しい体系に移行する必要が生じました。どうせ手を入れるなら、ドキュメント全体を整理することにしました。振り返ってみると、重複した内容があちこちに散らばっていて、古くなって実際のコードと合わなくなっている内容もありました。一つのドキュメントに内容が混在しすぎていて、必要な情報を探しにくいこともありました。
- 役割別に分離:一つの長いファイルの代わりに、ワークフロー別・テーマ別にファイルを分けました。新しい心理テストの追加、ミニゲームの追加、ドキュメントの更新など、状況ごとに参照すべきファイルが明確に変わりました。
- 重複の除去:複数のドキュメントにまったく同じ内容を書いていたものを一ヶ所にまとめ、残りは参照する形に整理しました。後で修正が必要になっても一ヶ所直すだけで済みます。
- 状況別ガイドの追加:どの作業の時にどのドキュメントを見ればいいか一目でわかるよう、表で整理しました。エージェントが毎回最初から探索する必要なく、すぐに目的のファイルに到達できます。
思ったより時間がかかりました。ドキュメントの整理はコードを書くより重要度が低く見えるかもしれませんが、AIエージェントを使う方法においてドキュメントの品質は結果の品質と直結します。エージェントに何をどうしてほしいかを伝えるのがドキュメントだからです。全体的にクオリティがかなり上がったと感じています。
残念な点はひとつだけ:コスト
良い点をたくさん話しましたが、残念な点がないわけではありません。Proプランはクォータが消耗するのが早すぎます。少し集中して作業すると、あっという間に上限に達してしまいます。それで今はMaxプランを使っていますが、コストがかなりのものです。サイドプロジェクトの規模では負担になる金額です。
ツールを変えてから作業フローが以前より安定して回っているのは明らかです。指示事項の遵守、サブエージェントによるコンテキスト管理の改善、Slack通知で生まれた余裕。この3つが実質的な違いを生み出しました。コストの問題はまだ残っていますが、それが解決できるくらいQ-Fitが成長することが次の目標です。